2012年の映画をふりかえる

【2012年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください】 ドライヴ ダークナイト ライジング キック・オーバー【2で選んだ映画のなかで、印象に残っている場面をひとつ教えてください】 「キック・オーバー」のメヒコの監獄スラムを舞台にロックス…

The Hobbit: An Unexpected Journey

LotRの世界で繰り広げられるワクワクドキドキな冒険譚が面白くないわけないだろ!オーク!トロル!ワーグ!岩石巨人!ゴブリン!とかPJクリーチャー好きすぎる。三部作になったのは、今回は顔見せ程度だったドラゴンの大暴れに尺使いたかったからに違いない。

Skyfall

前2作までのボンドが死に、50年の歴史を継承した新たなアイコンとして007が蘇る。「嵐が来る」とか言っちゃう程にダークナイトでライジズな本作はしかし、ジェームス・ボンドの英雄譚ではなく、Mの物語なので、全国のお婆ちゃん子達は必見。アバンタイトル〜…

Argo

すっかり監督業が板についてきたベン・アフレック最新作。実話を元に絵的に地味な話をエキサイティングな娯楽映画として描く、マネーボール的な作品。後半の計画実行パートがクライマックスだけど、個人的にはアラン・アーキンとジョン・グッドマンとの楽し…

The Raid: Redemption

タイの次にジャッキーの遺伝子が芽吹いたのはインドネシアだった。かつて「トキオ」(20年前のサンデー漫画)を読んで目覚めたマイナー格闘技フリークの我々の為に、遂に登場した本格シラット映画。B級特殊部隊モノとしてもハイクオリティなので、そっち属性…

Get the Gringo

メル・ギブソンはメキシコで蘇る。西部劇のプロットにクライムノワールな神脚本を突っ込んで、メルギブの豪腕でかき混ぜてサルサソースかけたみたいな、無茶苦茶だけど大傑作。メルギブがモノマネまで披露して、役名がドライバーとか、木曜洋画劇場クラスタ…

アウトレイジ ビヨンド

イロモン(褒め言葉)の前作に対し、本作は演者の怒号と顔芸(塩見三省!)で魅せる正統派。シンプルな会話劇だからこそ、北野監督が刻むカットのリズムの奇妙な心地良さが際立つ。特にラストの暗転の間は素晴らしいので、願わくばこの作品でシリーズ完結さ…

Iron Sky

ポリティカルなマーズ・アタックみたいな映画。ヘルガストVSサラ・ペイリンのマッチメイクが素晴らしい。意外とストーリーもちゃんとしてて、期待値以上におもしろかったんだけど、一晩たった今はナチ軍服美女の圧倒的な破壊力しか脳に残っていない。ハイル…

桐島、部活やめるってよ

どんな立場でもティーンとは何だかモヤモヤしているもので、リア充でもないのに放課後ただ遊びでバスケばっかしてた高校生の俺も例外ではなかった。高校生の時に本作に出会わなかったのは残念でもあり、逆に良かったのだとも思う。無数の「お前は(高校の頃…

おおかみこどもの雨と雪

あらゆる困難を乗り越える宮崎あおいというファンタジー。宮崎あおいになら、文太じゃなくても大型冷蔵庫あげたくなるよ。チートキャラである宮崎あおい(とその娘)を苦しめる(泣かせる)唯一の存在が、彼女の愛する男であるというところに、原田知世イズ…

Marvel's The Avengers

マーベルまんが祭!いつものポッツとの掛け合いに加えて、キャップや神様とビーフを繰り広げたり、新作をお披露目したり、社長オイシイとこもっていきすぎ。あとヒールのロキさんのバンプ(ドヤ顔⇒フルボッコ)が素晴らしすぎて、お前はウィリアム・リーガル…

Prometheus

人類の起源という大風呂敷の上で繰り広げられるエログロSFホラー。メタファーというにはあまりにも直球なデザインのクリーチャーと、マイケル・ファスベンダーのナイスヘアーを愛でる映画。アンドロイド愛が強すぎてシャーリーズ・セロンの扱いが雑な、リド…

The Dark Knight Rises

ジョーカーとロンドン暴動へのノーラン監督の落とし前。アナーキストのカリスマに酔いしれ、革命家の論理に同調する俺たちに、ヒーローとは何かを突きつける。カルト映画ではなく英雄譚の完結編となることを選んだ本作を、アメコミ者の俺が好きすぎるのは当…

Attack the Block

エイリアンVS悪ガキ軍団in団地。フードで顔を隠し、ナイフとバットで武装して、言葉もロクに通じない悪ガキどもはエイリアンよりモンスターみたい。完全無欠のリーダー、モーゼスはカリスマありすぎで、「一生ついて行くッス、俺」ってなった。あと音楽が超…

The Amazing Spider-Man

若きスパイディがヴィジランテ活動の傍ら、自分のアイデンティティや恋といったティーンの普遍的な問題と向き合うキラキラ青春映画。ヒーローの葛藤や苦悩が描かれるであろう続編が本リブートへの俺の評価を決めそう。取り敢えず、ウェブ・シューターは超ク…

Midnight in Paris

若返ったウディ・アレン*1が1920年代のパリにタイムスリップして、フィッツジェラルド夫妻の夫婦漫才みたり、ヘミングウェイ*2に説教くらったり、ダリのコントに付き合わされたりする映画。しまおまほ的なポジションのマリオン・コティヤールがキュートすぎ…

La piel que habito

去年台湾に行った時にそこかしこにポスターが貼ってあった作品。エログロ映画かと思いきや、変態が過ぎる人によるソープオペラだった。変態的なディテールとアントニオ・バンデラスを愛でるためだけの映画が成立するのが、流石スペインだと思うた。

先生を流産させる会

ホラー演出の鈴木先生!もとい「告白」を直球*1で映画化するなら多分これが正解。ルックがリッチなので良い意味で自主映画っぽくなくて、舞台挨拶の緩さとか終わった後に出演者達がサインとか握手に応じてる感じに逆に違和感を感じるほど。女教師&女子中学…

The Descendants

奔放で、社交的で、愚かで、娘の憧れの母親であり、ダディのリトルガールであり、浮気性のクソ女であり、あの日出会った美しい人であり、最愛の妻。全部含めて彼女*1だということを受け入れ、赦す話。舞台がハワイでなかったら、緩くて優しいあのラストに繋…

Bridesmaids

女の友情と嫉妬は切っても切れないものらしい。主人公のケーキ屋さん設定が思ったほど生かされなかったのが残念*1だけど、下ネタはハイクオリティ。主人公のイギリス人ルームメイトのキャラが特にドイヒー(褒め言葉)。イングリッシュマフィン! *1:主人公以…

Tinker Tailor Soldier Spy

前半の*1断片的な情報が後半で見事に答えに繋がる快感は、難解なクロスワードパズルのそれに近い。ドライに描かれる諜報戦から、エモーショナルな終盤、スマイリーが*2あの席に座るラストカットまでの流れは完璧すぎ!キャスティングではスマイリーを演じた…

Shame

女体磁界王*1の能力(イケメン)と呪い(イケメン)を持つ男の悲劇とも、薬物依存や殺人衝動を性欲に置き換えた一人のジャンキーの物語ともとれるけど、個人的には本作はキリスト教的な罪と罰についての(もっと私的な)映画だと思った。妹の自傷行為がより直接的…

Drive

この野郎!面白いじゃないか!!80年代B級アクション映画を超A級*1の撮影、演技、音楽、演出で撮ったらどうなるかという実験の結果は、一本の死ぬ程クールな映画だった。冒頭のカーチェス*2もといカーチェイス、甘く激辛なエレベーターのシーン*3、影のあれ*4…

Melancholia

嫌すぎる映画界の第一人者、ラース・フォン・トリアー監督の最新作。冒頭に世界の週末へと向かうこの物語のダイジェストが、絵画のような映像美*1で描かれる。本作は二部構成となっており、前半はキルスティン・ダンスト演じるジャスティンが、後半はシャル…

Sherlock Holmes: A Game of Shadows

シリーズ第二弾!前作の無駄を廃し、好評だった要素を大きくパワーアップさせた正しい続編。マーケティング調査をするまでもなく、前作の人気の大部分はホームズ×ワトソンのBLカップリングにあるのは明らかで、邪魔者となっていたワトソン嫁は本作では早々に…

War Horse

スティーヴン・スピルバーグ監督の最新作!美しいサラブレッドが、イギリスの田舎と戦場で走るところを撮りたいっていうバーグさんの監督欲が炸裂した作品。ストーリーは少々ウェルメイドすぎるきらいがあるものの、空間の広がりと馬の躍動感はどこまでも素…

Hugo

実写版カール爺さんことマーティン・スコセッシ監督がいつものバイオレンスを封印して手掛けたファミリー映画。事前の情報やトレイラーから冒険ファンタジーだと思い込んでいたのだけれど、1930年代のフランスという現実世界を舞台にした割とシリアス*1な作…

Tower Heist

ベン・ステイラーとエディ・マーフィーのダブル主演のコメディ映画。ウォール街への(オーディナリーな)アメリカ人の怒りという「アザーガイズ」と同じテーマが、もっと露骨でストレートにプロットに盛り込まれているけれど、監督がミスター職業監督ブレッ…

The Girl with the Dragon Tattoo

デビット・フィンチャー監督が、世界的ベストセラーが原作のスウェーデン映画「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」をリメイク!変態007なオープニングクレジットから158分、1カットも無駄なシーンのない、完璧主義者のフィンチャー監督らしさの溢れる作品…

J. Edgar

クリント・イーストウッド監督の新作にして、ダスティン・ランス・ブラック*1脚本の新作でもある本作は、嘘の呪縛に捕らえられた一人の男が嘘から開放されるまでを描いた映画だった。レオナルド・ディカプリオがFBI初代長官エドガー・フーヴァーを演じる本作…