2012年の映画をふりかえる

【2012年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください】
ドライヴ
ダークナイト ライジン
キック・オーバー

【2で選んだ映画のなかで、印象に残っている場面をひとつ教えてください】
「キック・オーバー」のメヒコの監獄スラムを舞台にロックスター・ゲーム的にミッションをこなして、銃と金とコネをゲットする一連の場面。グランドでセフトでオートな感じにグッときた。

【今年いちばんよかったなと思う役者さんは誰ですか】
ダニエル・クレイグ。「ドラゴン・タトゥーの女」での眼鏡&セーターの知的ルックも、「スカイフォール」のトム・フォードのタイトなスーツ姿をも凌駕する圧倒的な裸体パワー。裸んぼ俳優オブ・ザ・イヤー(次点はマイケル・ファスベンダー)をあげたい。つーか、顔と肉体に役の説得力が滲み出ていた今年のダニエル・クレイグの仕事は素晴らしかった。

【ひとことコメント】
今年は思わず真似してしまいたくなるくらいクールな映画だらけで、スコーピオンのスカジャン着て爪楊枝くわえたり、正体を隠すために低い声でしゃべったり、微妙なクオリティのイーストウッドのモノマネしたり、ポール・スミスだのトム・フォードだので身を固めたり、弓矢を射ったり、ピアスとタトゥーだらけの女と一夜を共にしたりしそうになって困った。

★2012年私的映画ベストテン!★
1. ドライヴ
2. ダークナイト ライジン
3. キック・オーバー
4. ドラゴン・タトゥーの女
5. 007 スカイフォール
6. アベンジャーズ
7. 裏切りのサーカス
8. ホビット 思いがけない冒険
9. 桐島、部活やめるってよ
10. アタック・ザ・ブロック

★2012年私的映画ベスト11〜20!★
11. ファミリー・ツリー
12. ザ・レイド
12. アメイジングスパイダーマン
14. アニマル・キングダム
15. ミッドナイト・イン・パリ
16. アウトレイジ ビヨンド
17. アルゴ
18. プロメテウス
19. おおかみこどもの雨と雪
20. アイアン・スカイ

The Hobbit: An Unexpected Journey

adf2012-12-26


LotRの世界で繰り広げられるワクワクドキドキな冒険譚が面白くないわけないだろ!オーク!トロル!ワーグ!岩石巨人!ゴブリン!とかPJクリーチャー好きすぎる。三部作になったのは、今回は顔見せ程度だったドラゴンの大暴れに尺使いたかったからに違いない。

Skyfall

adf2012-12-03


前2作までのボンドが死に、50年の歴史を継承した新たなアイコンとして007が蘇る。「嵐が来る」とか言っちゃう程にダークナイトでライジズな本作はしかし、ジェームス・ボンドの英雄譚ではなく、Mの物語なので、全国のお婆ちゃん子達は必見。

アバンタイトル〜オープニングクレジットはシリーズ屈指の素晴らしさで、うちのHDDに永遠に保存しておきたいくらい。サイケな上海、ビビッドなマカオ、灰色なスコットランドの、オスカークオリティな美しき世界に佇むボンドのシルエットは、コラージュアートのよう。

Argo

adf2012-11-11


すっかり監督業が板についてきたベン・アフレック最新作。実話を元に絵的に地味な話をエキサイティングな娯楽映画として描く、マネーボール的な作品。後半の計画実行パートがクライマックスだけど、個人的にはアラン・アーキンジョン・グッドマンとの楽しいニセ映画制作にグッときた。

The Raid: Redemption

adf2012-10-31


タイの次にジャッキーの遺伝子が芽吹いたのはインドネシアだった。かつて「トキオ」(20年前のサンデー漫画)を読んで目覚めたマイナー格闘技フリークの我々の為に、遂に登場した本格シラット映画。B級特殊部隊モノとしてもハイクオリティなので、そっち属性の人も映画館へ走れ。

Get the Gringo

adf2012-10-27


メル・ギブソンはメキシコで蘇る。西部劇のプロットにクライムノワールな神脚本を突っ込んで、メルギブの豪腕でかき混ぜてサルサソースかけたみたいな、無茶苦茶だけど大傑作。メルギブがモノマネまで披露して、役名がドライバーとか、木曜洋画劇場クラスタはマストシー。

メヒコの監獄スラムを舞台にロックスター・ゲーム的なミッションをこなして金とコネをゲットする序盤も、中盤の真昼間の決闘も、ヒットマン稼業のスムーズな手際も、クライマックスのメキシカン・スタンドオフも、メルギブの全てが素晴らしい。もっとメルギブが走るとこ見たい!

アウトレイジ ビヨンド

adf2012-10-15


イロモン(褒め言葉)の前作に対し、本作は演者の怒号と顔芸(塩見三省!)で魅せる正統派。シンプルな会話劇だからこそ、北野監督が刻むカットのリズムの奇妙な心地良さが際立つ。特にラストの暗転の間は素晴らしいので、願わくばこの作品でシリーズ完結させて欲しい。

「使われる側はつらいよ」な前作に対し、本作は「使う側もつらいよ」な話となっている。偉くなった前作続投組は「地位は人を作る」なんて嘘であることを体現する、管理職地獄変。石原みたいなクソ上司のキミは、バッティングセンターに誘われたら気をつけろ!