2010-01-01から1年間の記事一覧

Kick-Ass

eBayで買ったコスチュームを身に纏っただけのスーパーヒーローワナビーのナードの姿を通して、「スーパーヒーローとは何か」というテーマにまで言及する、スーパーヒーロー映画史に残るであろう大傑作。本作で最も魅力的なキャラクターは、主人公兼狂言回し…

Whatever Works

ウディ・アレン監督の記念すべき長編映画第40作目にして、久しぶりにホームタウンであるニューヨークを舞台にしたコメディ映画。休館してしまう恵比寿ガーデンシネマ最後の作品なので記念も兼ねて観てきた。年一本ペースで映画を撮る多分世界一多作な老監督…

Son of Rambow

俗文化から隔離された少年が悪ガキと出会い、彼の家で偶然観たランボーに興奮して、自主映画作りを始める話。「僕らのミライへ逆回転」の自主制作映画DIY愛や、スタンド・バイ・ミーのような少年達の友情&冒険と成長を描いたボーイ・ミーツ・ボーイな作品。…

Harry Potter and the Deathly Hallows PART1

言わずと知れた人気シリーズの最新作にして、二部構成に別れたシリーズ完結作の前編。本シリーズの魅力の一つは『ごっこ遊び』のそれであり、ハリー、ハーマイオニー、ロンと一緒に魔法学校の生徒として作品世界を楽しむ*1ことができる点にある。ヴォルデモ…

Machete

「グラインドハウス」のフェイク予告編を元に、ロバート・ロドリゲスが作った本編映画。でっかい鉈を持った不死身のダニー・トレホが大暴れするメキシカン(向け)映画というワンアイデアを殆ど膨らませずに、デ・ニーロにジョージWのモノマネさせたり、リン…

Brooklyn's Finest

比較的地味なフィルモグラフィーを持つアントワーン・フークアの本気が垣間見える意欲作。邦題が『クロッシング』でややこしいけど、極めて全うで真面目な造りの佳作だった。原題はブルックリンの警察官のことを現しており、善悪の間で揺れる三人の警察官の…

making of LOVE

ヒロインとフルサワ自身へ向けて被写体愛を爆発させる監督のアイドル監督映画(シネマハスラー的表現)だと思った。この二人以外の要素、二人が出ていない場面とかメキュメンタリーとしての整合性みたいな部分へのテンションの低さとかも含め、監督のキュー…

告白

今最も名前で客の呼べる日本人映画監督こと、中島哲也監督の最新作。湊かなえ作の同名ベストセラー小説が原作だけれど、原作は未読。でも本作はおそらくこの原作のベストな映画化であり、現在の日本でここまで監督の作家性を前面に押し出した映画がヒットす…

さんかく

僕が今最も好きな日本人映画監督こと、吉田恵輔監督の最新作。吉田監督の映画は「机のなかみ」、「純喫茶磯辺」、本作と、3作とも観たけど全ての作品に共通しているのが、登場人物がことごとくダメな人で、男は性欲で、女は情で、より(洒落にならないくらい…

Zombieland

ゾンビ映画をモチーフにしたコメディで、素晴らしいポップコーンムービー*1だった。本作の基本構造は、ゾンビによってほぼ滅びた世界で偶然出会った男女が、ゾンビフリーの遊園地を目指すロードムービー*2なんだけど、同時にボーイミーツガールものでもあっ…

Inception

クリストファー・ノーラン監督、脚本、製作のSF映画。メメントはDVDを購入するくらいには好きだし、ゼロ年代の個人的なベスト映画であるダークナイトについては言うまでもないくらい素晴らしかったのに、何故かあまり信頼していなかった*1というのが僕のノー…

借りぐらしのアリエッティ

ジブリ最新作。日本人の義務として鑑賞。とにかくディテールが魅力的で、作り手のこだわりが感じられる映画。アリエッティ一家の床下での暮らしぶり*1や、初めての借りのシークエンス*2の細かい設定や描写の数々はジブリのクリエイター達の職人芸って感じ。…

Toy Story 3

みんな大好きトイ・ストーリーの第三作目は、まさかのディストピアもの!時の流れとともに数を減らしながらも、可能性は低いけどいつか来るかもしれない幸運な未来*1を夢見て暮らすオモチャ達が、未曾有の変化*2により住処を追われる不安の中、不運なアクシ…

The Hangover

アメリカで大ヒットしたコメディ映画。とにかく脚本が上手くて、序盤のキャラクターを紹介するエピソードの数々や、事件が起こったあとのロードムービー的な展開、問題の解決までいたるプロセスや、物語のまとめ方まで、パーフェクトなコメディ映画の脚本で…

ヒーローショー

「こちトラ自腹じゃ」で有名な井筒監督の最新作。彼のフィルモグラフィーは特別僕の食指に触れるものではなかったけど、TwitterのTL上での評判がとても良かったので映画の日に鑑賞。事前の情報や監督のインタビューから『暴力』そのものをテーマにした「ファ…

Iron Man 2

アイアンマンの続編!というより、ロバート・ダウニー・Jrのトニー・スタークが帰ってきた!っていう方がしっくりきちゃうアメコミ映画、大傑作!ジョニー・デップにとってのジャック・スパロウがそうであるように、ロバート・ダウニー・Jrにとってのナンバ…

Brothers

デンマーク映画『ある愛の風景』(2004年公開)のリメイク作で、トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマンの演技力に定評のある30代ハリウッド俳優が出演。事前の宣伝やトレイラーから、戦争がテーマで、最近のハリウッドにおい…

Precious: Based on the Novel Push by Sapphire

見前の印象通り、観た後に精神ポイントを大幅に消費する重厚な映画。でも不思議と鑑賞後にハッピーな気分になる作品。単なる貧民層の不幸物語ではなく、教育とそれを受けることの意義といったテーマをすごく象徴的で分かりやすく描いていいるのも良かった。…

Alice in Wonderland

名前は誰もが知っているのに意外と内容をはっきり知っている人の少ない『不思議の国のアリス』、『鏡の国のアリス』をティム・バートン監督が実写映画化。ディズニー映画!バートン監督といえば、独特の(広い意味での)デザインが特徴なんだけど、諸々の制…

DAY−4/5

この日は今回の旅の目的でもある友人の結婚式があったので、割と早めに起きて、宿泊するホテルで朝食を食べた。朝から結構な量をたいらげた後、結婚式用ヘアメイクのために彼女を友人のホテルへ送り届けて、一人ですっかり常連となった近所のモールへ。そこ…

DAY−3

早朝3時前に、友人のホテルの前で専用バスに乗ってサンライズ見るために、先日『弾丸トラベラー』というテレビ番組でも紹介されていた、マウナケアという火山へ。真っ暗な中割とスピードを出したバスの運転に恐怖しながら、頂上のサンライズ見るスポットに着…

DAY−2

マウイ島の有名な観光地、ラハイナへ車で向かう。道に迷わないかだけが多少心配だったけど、昨日程は緊張もせず割と楽しくドライブ。不況のためか、シャッター街と化したモールの駐車場(有料。流石観光地)に車を停めて、海沿いの街並みをふらつきながら、…

DAY-1

長い長い電車の旅を経て、夕方くらいに成田空港へ。ちょい迷いながらも両替して、荷物チェックインして、空港のフードコートでタケノコ丼で軽食。定員がぶっきらぼうなのが印象的、グローバルスタンダードか?国際線の出発ロビー自体、来るのが超久しぶりな…

District 9

ハリウッドSF映画としては低予算ながら、映画ファンやブロガーの支持を集め、メディアからも注目された上、アカデミー賞にまでノミネートされちゃった話題作。各所での絶賛に相応しい、素晴らしい映画だった。本作のメインテーマは『差別』であり、映画を通…

The Hurt Locker

オスカーウィナー作品!その栄誉に違わない良い映画だった。宇宙服チックな対爆スーツ*1だったり、着弾まで時間差のある二人一組*2でのスナイパー対決とか、リアルな戦争ディテールが超クール。このあたりの戦争ディテールとか、半裸でじゃれ合う兵士たちの…

息もできない

韓国の俳優のヤン・イクチュンの映画監督デビュー作。製作費が途中で足りなくなり、ヤン監督が家族や友人から資金援助を受けたり、家を引き払った保証金を充てて、なんとか完成した本当の意味でのインディーズ映画。ちなみに監督だけでなく脚本、演出、編集…

Sherlock Holmes

マドンナの元旦那ことガイ・リッチー監督の最新作。コナン・ドイルの古典ではなく、その古典にインスピレーションを受けたコミックが原作なので、バットマンとかスパイダーマン的なスーパーヒーローものだったりする。最近のスーパーヒーローものはシリーズ…

渇き

『オールド・ボーイ』のパク・チャヌク監督の最新作、韓国映画。僕の中で、今、最も信頼できる俳優ことソン・ガンホ*1さん主演ということで映画館に足を運んでみたのだけれど、全ての面でとにかく「やりすぎ」な作品だった。ソン・ガンホ演じるヴァンパイア…

Frozen River

僕の敬愛する映画監督であるQTがサンダンス映画祭で絶賛!確かにクオリティーが高く感情に響くような力を持つ素晴らしい作品。「レスラー」がそうであったように、本作は『負け犬』映画の系譜に連なっている。しかし主人公がその『家族』の関係性は二作品で…

Where the Wild Things Are

ファットボーイ・スリムの 超クールなミュージックビデオの監督でお馴染みの スパイク・ジョーンズが世界的に有名な同名絵本を映画化!スパイク監督の希有なビジュアルセンスで、かいじゅうたち*1と彼らが住む島は見事に映像化されていて、さすが原作者が絶…