Iron Man 2

adf2010-06-22

アイアンマンの続編!というより、ロバート・ダウニー・Jrのトニー・スタークが帰ってきた!っていう方がしっくりきちゃうアメコミ映画、大傑作!ジョニー・デップにとってのジャック・スパロウがそうであるように、ロバート・ダウニー・Jrにとってのナンバーワンのアタリ役がトニー社長であることに異論はないんじゃないかな。

前作で正体がバレたというか、自ら明かしたアイアンマンことトニー社長は冒頭からナルシズム全開で、個人で大規模な博覧会を催したり、公聴会に呼び出されてクールなデジタルガジェット*1を駆使して演説をしてみたり、果ては飛び入りでF1マシンを運転したりと、文字通り調子に乗っている。でも、そんな彼の姿はどこか憎めないばかりかキュートですらあって、本作がアメコミ映画の割には女子人気が高いのはこの辺に理由がありそう。

前作でもコント的なシークエンスが多く盛り込まれていたけれど、本作では脚本を「トロピック・サンダー / 史上最低の作戦」のライターのジャスティン・セロウが担当していることもあり、コント的な要素が更にパワーアップしていて、本作はアメコミ映画でありながら同時にアクションコメディ映画でもある。もちろん、グウィネス・パルトロウの魅力150%アップの理想の秘書キャラこと、ペッパー・ポッツとトニー社長の掛け合いも健在で、序盤の駄々っ子とそれをなだめるママのシチュエーションコント*2とか、それぞれの役職や立場が変わった後のやり取り*3とかも、いつまでも見ていたい感じ。

新しく追加されたキャラクターもとても魅力的で、セクシーなニュー秘書役のスカーレット・ヨハンソン*4や、遂に登場するウォーマシーン*5とか超クール。でも、一番素晴らしかったのはトニー・スタークに成れなかった男こと、サム・ロックウェル*6が演じるジャスティン・ハマー!登場時から小物感丸出しの愛すべきスネオキャラで、本人的には大真面目に格好つけているのにダサくてバカバカしい仕草*7や台詞*8がいちいち素晴らしい。その分、本作の目玉悪役であるミッキー・ローク演じるウィップラッシュの出番が少なく、印象も薄くなったのは残念ではあるけど。

ちなみに本作は、前作の「アイアンマン」や公開済の「ハルク」、製作中の「ソー」や「キャプテン・アメリカ」とクロスオーヴァーいているシーンが多くあって、数年以内に公開が決まっている「アベンジャーズ」に繋がる一連のマーベル・スタジオ作品の中の一本として本作が位置づけられているからなんだけど、この点については割と賛否が別れている*9らしい。でも僕は自他共に認めるアメコミ好きなので、寧ろ大歓迎。スターウォーズ旧3部作の頃、クローン大戦に思いを馳せたように、「アベンジャーズ」のメンバーやヴィランが誰になるかを夢想する喜び。

ちなみに本作は、週末の夜にヒルズで観たんだけど、観客に外国人が多くて、いちいちリアクションが大きかったのが良かった。コメディは大笑いして、アクションは正直に驚くのが正しい映画の見方!

*1:未来のiPhoneみたいなデザイン

*2:「アレ(アノ娘)欲しい。」「ダメよ」のやり取りとか、怒ったママに朝ご飯作ったり。幼児みたい

*3:社長室でのヘンテコなオブジェを挟んでのシークエンスとか

*4:いかにもキャリアウーマンなカッチリした衣装のときのが逆にセクシー

*5:中身のキャラクターは前作でも登場したけど、演じる役者が交代していて少しややこしい

*6:実際にロバート・ダウニー・Jrに決定する前はトニー役の候補に彼が上がっていたらしい。

*7:女の子の口説き方とか、変なダンスとか

*8:「EX-WIFE」の件とか、「アーミー!ネイビー!エアフォース!マリーン!」とか酔っぱらったときに真似したい。

*9:映画単体もしくは本シリーズの完成度をそぐというのが主な理由みたい