Sherlock Holmes

adf2010-03-28


マドンナの元旦那ことガイ・リッチー監督の最新作。コナン・ドイルの古典ではなく、その古典にインスピレーションを受けたコミックが原作なので、バットマンとかスパイダーマン的なスーパーヒーローものだったりする。

最近のスーパーヒーローものはシリーズ化を見据えて作られる傾向にあるため、1作目は主役のスーパーヒーローが如何に魅力的で凄いかに大きく時間を割くので、サイドキック*1ヴィラン*2は薄味な扱い。でも万人からの人気を集めるスーパーヒーローより、むしろヴィランに作者の思い*3がより強く反映されていたりするので、ヴィランがフィーチャーされることの多い*4シリーズ2作目の方が名作となる可能性が高いと思う。本作もこの傾向にあってか、ヴィランは真打ちのモーリアーティ教授が次回作用に温存されていることを差し引いても出番も魅力にも乏しくてその点は少し残念。

では主役のホームズはというと、確かに凄く魅力的なんだけど、いつものロバート・ダウニー・Jrなので全面的に彼の手柄な気がする。つーか、アイアンマンのスターク社長とほぼ同じキャラ。グウィネス・パルトローの代わりにジュード・ロウとイチャイチャしてるという違いがあるので、ワトソンさんのホームズをメロメロにするツンデレっぷりとかが強調されたらもっと良かったかも。

リッチー監督はヘンテコなキャラクターをスタイリッシュな演出で見せるのが得意だけど、演出はわりとワンパターンだったりするので既視感があるのは否めない。そんな中でも序盤に見せたホームズ拳法は男子中学生が考えたみたいな感じでとてもクールだったので、次回作では全編通じて使って欲しい。あとステッキを使ったアクションも是非見せて欲しい、英国と言えば紅茶とステッキ格闘術。

*1:バットマンのロビン

*2:バットマンのジョーカー他の皆さん

*3:コンプレックスとかバックグランドとか

*4:物語の構造上、スーパーヒーローの挫折と成長が必要とされるため