La piel que habito
去年台湾に行った時にそこかしこにポスターが貼ってあった作品。エログロ映画かと思いきや、変態が過ぎる人によるソープオペラだった。変態的なディテールとアントニオ・バンデラスを愛でるためだけの映画が成立するのが、流石スペインだと思うた。
The Descendants
奔放で、社交的で、愚かで、娘の憧れの母親であり、ダディのリトルガールであり、浮気性のクソ女であり、あの日出会った美しい人であり、最愛の妻。全部含めて彼女*1だということを受け入れ、赦す話。舞台がハワイでなかったら、緩くて優しいあのラストに繋がらなかったかも。
いつものセクシーさを完全に消したクルーニー兄貴の情けない姿は素晴らしいけれど、本作のベストアクトは娘役のシャイリーン・ウッドリーなのであった。特にバッドニュースを聞いてプールに潜るシーンにはベスト・プールに潜るシーン・オブ・ザ・イヤーを贈りたい。
あと間男の嫁役のジュディ・グリアが幸せだったときに出していたハッピー・オーラはこれぞハワイ・ロコな感じだったので、ハワイ行くときは参考にすると良いよ。
*1:本人は一言の台詞を話さず、彼女の死に面した家族の姿から全てを語るという非常にスキルフルな脚本仕事が光る。流石はアレクサンダー・ペイン作品、そこに痺れる憧れるぅっ!
Tinker Tailor Soldier Spy
前半の*1断片的な情報が後半で見事に答えに繋がる快感は、難解なクロスワードパズルのそれに近い。ドライに描かれる諜報戦から、エモーショナルな終盤、スマイリーが*2あの席に座るラストカットまでの流れは完璧すぎ!
キャスティングではスマイリーを演じたゲイリー・オールドマンが兎に角素晴らしい。彼の身に宿った、品と威厳を兼ね備えた高級官僚の顔と静かにしかし確実に仕事をこなす一流スパイの顔が共存する男は、007のようなフィクションの産物とは異なるリアルでしかし堪らなくブイシーなキャラクター*3だった。
本作のもう一つの魅力として、*4ディテールの美しさがある。特に英国諜報部(a.k.a.サーカス)の会議室はビシッと決まっていて、監督のフェティシズムが透けて見えた。