Tinker Tailor Soldier Spy

adf2012-05-15

前半の*1断片的な情報が後半で見事に答えに繋がる快感は、難解なクロスワードパズルのそれに近い。ドライに描かれる諜報戦から、エモーショナルな終盤、スマイリーが*2あの席に座るラストカットまでの流れは完璧すぎ!

キャスティングではスマイリーを演じたゲイリー・オールドマンが兎に角素晴らしい。彼の身に宿った、品と威厳を兼ね備えた高級官僚の顔と静かにしかし確実に仕事をこなす一流スパイの顔が共存する男は、007のようなフィクションの産物とは異なるリアルでしかし堪らなくブイシーなキャラクター*3だった。

本作のもう一つの魅力として、*4ディテールの美しさがある。特に英国諜報部(a.k.a.サーカス)の会議室はビシッと決まっていて、監督のフェティシズムが透けて見えた。

*1:その時点では意味の分からない

*2:笑点のオープニング風に

*3:脇を固めるコリン・ファースマーク・ストロング、そしてジョン・ハート達も漏れなく超ブイシー

*4:ロケーションや舞台(建物や内装)、小物、ファッション(スーツ!)や音楽といった