Reign Over Me

adf2008-01-30


僕の敬愛するアダム・サンドラーさんの新しい映画は、いつもみたいなバカコメディーでもラブコメでもなく、なんと観客の感涙を誘う「泣ける映画」です。とはいえ、アダムさんのかわす会話の端々には相変わらずのくだらなさが垣間見えるし、共演のドン・チードルさんのリアクションは素晴らしくコメディー的ではあるので、真面目くさった退屈な映画では決してないのです。そのせいか、テーマがかなりヘビーな割には暗い気持ちにならず見れたりする。

実はストーリーライン自体はちょっと散漫で、クライマックスもいまいち盛り上がりに欠けるのだけれど、アダム・サンドラーさんとドン・チードルさんの主演二人が素晴らしくて、映画の魅力を3倍くらい上げている気がする。二人の掛け合いがあるシーンはどれも良い。

9・11のテロで家族を亡くし重度なPTSDになっているアダム・サンドラーさんを、ドン・チードルさん演じる久々に再会した大学時代のルームメイトは何とか立ち直らせようとするのだけれど、そもそも立ち直ることがアダムさんにとっていいことなのかっていうとそれは分からないわけで。つーか、毎日ひたすらキッチンの模様替えと『ワンダと巨像』をプレイするという日々を過ごすアダムさんみたいな人なんて、割とどこにでもたくさんいる*1んじゃないだろうか。

そして、若干以上にそういう生活が羨ましい気がしちゃう僕は、お疲れモードなのか、単に根が怠惰なだけなのかどっちだろう。いや後者なんだけどさ、多分。来世はパンダになりたい*2し。

*1:プラモとかフィギュア作ったり、ゲームするだけの日々をおくっている引きこもりなんて全然珍しくなさそうだし、アダムさんはバンドでドラムたたいたり、モーター付きキックボードで割と頻繁に出かけたりしているので、メディアに登場するジャパニーズ引きこもりの人々より数倍アクティブだ

*2:しかも動物園の