潜水服は蝶の夢を見る

adf2008-02-11


フランス映画を映画館で初鑑賞。映像が美しくて、科白が詩的で、それでいてユーモアにとんだ良い作品。有名ファッション雑誌の元編集長が病に倒れ、全身がパラライズしてしまって、自由に動くのが左目だけという絶望的な状態の中、左目のまばたきの数でコミュニケーションをとって本を一冊書いたという、気の遠くなりそうな実話*1の映画化なのだけれど、主人公の人間的な魅力が高くて、単なる感動的な偉人の伝記ものになっていないのが良かった。

物語の大部分は主人公の一人称視点で描かれるのだけれど、彼が典型的なフランス男性のそれ*2である女好きがすぎるのと、どの女性の登場人物も美人ばかりということもあって、終始目線が胸とか太ももとか舌だとかにフォーカスされている*3のがくだらなくて良かった。

仕様がないなこのオッサンって思ったけど、自分に翻って見るとなんとなく納得した。まばたきで口説くバイタリティーは僕にはないけれど。

*1:ミスター飽き症の僕には何度生まれ変わっても無理だと思う

*2:ゲイか女好きの二者択一、バイって場合もあるのか

*3:ノローグで語られる主人公の心情もそっち方面ばかりだし、物語の後半ではまばたきでちゃっかり女性を口説いたりもする