American Gangster
ハリウッドの二枚看板スターのデンゼル・ワシントンとラッセル・クロウをダブル主役に迎えて、70年代に実在したハーレムの麻薬王フランク・ルーカスの反省を元に作られたガチンコなハリウッド大作映画。流石に超一流俳優&制作スタッフが気合い十分に作っていることもあって作品全体から漂うプロが良い仕事している感じは素晴らしくて、長尺の割に全く退屈なところがなく緊張感がずっと続くのはさすが。でも、おそらく監督であるリドリー・スコットが本作の題材にそれほど思い入れがないからだと思うけれど、映画に込められた感情だとか魂みたいな部分がいまいち薄味で、その点は少し物足りなかったかも。
逆に、おそらくはこの題材に対する思い入れがありすぎるぐらいある*1であろうスパイク・リー監督バージョン*2とかも、どんな風になるかは何となく予想できちゃったりする*3けど、できることなら観てみたかった。
あと、物語中寝る間も惜しみ、プライベートも犠牲にして、最も勤勉に一生懸命働くのがデンゼルさん演じるフランク・ルーカスだったのが「麻薬王はつらいよ」って感じで哀しい。汚職警官の皆さんの方が何ら努力や犠牲を払うでもなく、立場と地位を使って金を得て行く姿*4とは、まるで対照的。
ミスター怠け者の僕には7回生まれ変わってもフランク・ルーカスみたいな生活*5は無理だと思う。