Sunshine Cleaning

adf2009-08-01


やることなすこと全てダメダメな姉妹を中心に、無条件な家族愛の優しさと、負け犬の愛しさを描いたファミリー/ルーザー讃歌な映画。映画のメインテーマは同じ製作スタッフが手がけた『リトル・ミス・サンシャイン』を踏襲していて、奇跡なんか起こらず分かりやすい成功に到達もしない、ルーザーはルーザーのままエンディングを迎えるのに何故か映画を観終わった後に素晴らしい幸福感で胸が満たされるあたりも共通している。超良い映画でした。

主役の姉妹はもちろん登場人物は全て良いキャラクターばかりなのだけれど、個人的にはアラン・アーキンが演じる精神のバランスを欠いているように見えるけれど、娘たちや孫にはどこまでも優しく受け入れてくれる無償の家族愛(優しさ)を体現したかのようなキャラクター*1がすごく良かった。

空中キャンプのレビューにも書かれていたけれど、息子の誕生会をするファーストフード店はリアルにみすぼらしくて、映画の冒頭のハウスパーティーやベイビーシャワーのシーンの華やかさ*2と比べると、どうしようもなく切ない。

リトル・ミス・サンシャイン』のフライドチキンだけの夕食とか、本作の中盤で安いシーフードレストラン(ファミレスみたいなやつね)での「お得なコンボをシェアしよう」っていう台詞とか、この映画のスタッフは食事で切ないイメージをもたらすのが好きみたい。確かにどこかがっかりな食事ってすごく切ないよね。一杯のかけそばとかそういうんじゃなくて。

*1:リトル・ミス・サンシャイン』とほぼ同じ

*2:もっともベイビーシャワーはバカバカしくてとても空虚にも描かれているけれど