Tron: Legacy
今年最初の映画!川崎のIMAX3Dにて鑑賞。ちなみに前作は未見。トレイラー*1の映像と音楽*2が非常に素晴らしくて、期待大で待っていた作品。
本作のデザインはとても魅力的で、コスチュームやメカだけでなくキャラクターや世界観まで含めた表層の圧倒的なクールさ*3は特筆するものがあった。その反面、ストーリーとその展開の仕方(演出を含めた語り口の部分)の粗が目立ってしまったのは残念なところ。特に不満だったのは、主人公の能力の裏付けが無くご都合主義的に強くて何でもできる*4人物として描かれている点。この所為でストーリーにサスペンスが生まれなくなっており、謎が明らかになってゴールが示された中盤以降いささか退屈に感じてしまう。また「ディスク・バトル」や「グリッド・ゲーム」といった、設定やデザインを最大限に生かしたユニークなルックのアクションシーンを序盤に並べ、中盤以降は割と普通の格闘シーンだったりドッグファイトが展開するという構成の失敗も中だるみの原因となっているように思う。
上記の2つの問題点は、冒頭のスパイごっこシーンを全面カットし代わりにバイクのシーンを膨らませ*5、主人公のバイクテクニックを強調した伏線を張った上で、ライト・サイクルのチェイス*6をクライマックスのアクションシーンにすれば解決したんじゃないかと思う。
文句ばかり出てしまったけど、デザインが好みだっただけにもったいない*7という思いが強いからで、クオラ*8とかサイレン*9とかもっと長く見たかったし、お父さん*10のジェダイ丸出しなルックスもそれはそれで好き。
あとダフト・パンクの選曲に注文つけちゃうキャスターさんは本物のセレブやで!
*1:インセプション鑑賞時に同じ劇場で観たのが初めてなので、随分前から流れていたことになる
*3:目新しさこそ、さほど感じられないものの
*4:その割にはストーリーの重要な部分で何も成し遂げないところもどうかと思う。
*5:バイクのストリートレーシングで街中を暴走とかそういうの
*6:もちろん主人公は父のヴィンテージに乗って戦う
*7:キャラクターの使い方ももったいない点が多くて、クオラは飛び抜けて強かったり超能力が使えたりするべきだし、クルーとリンズラーとお父さんはああいう風な使い方をするなら、ある程度キャラクターをまとめてしまった方が良い気もする。前作からの繋がりとか考えると難しいのかもしれないけど。
*8:黒いピッタリしたセクシーなスーツ着ている方
*9:白いピッタリしたセクシーなスーツ着ている方
*10:ヒッピー!