Scott Pilgrim vs. the World

adf2011-05-22

誰かが署名活動しないと日本で映画が公開されない男こと、エドガー・ライト監督最新作!ファミコン風ドット絵&ピコピコサウンドのユニバーサルのロゴから始まる本作は、ニンテンドーで育った俺達のゲーム脳にはピンとくる8ビットなディテール*1に溢れた映画だった。

本作は同時期に公開された「エンジェルウォーズ」や昨年の「キック・アス」と並べて語られることが多い。確かに、次々に現れる7人の元彼軍団と対戦を繰り返すという構成は「エンジェルウォーズ」とそっくりだし、コミックやゲームをそのまま実写化したような対決シーンは、どれもポップでクールに演出されていてテンションMAXで1UPな感じ。カットのテンポがスピーディーで、1画面に含まれる情報量も非常に多いから、ぼーっとしてるとディテールを見逃しちゃいそうになるのもDVD世代*2の映画らしいと思った。

でも基本的には、寧ろ*3「500日のサマー」との方が作品的距離は近いんじゃないかと思った。よくよく考えると二股、元カレ、元カノ入り乱れたビバヒルみたいなシリアスな状況も、基本コメディ風*4に描かれているから、作品全体のトーンはポップにまとまっているところとか。ヒロインが*5ビッチなのも共通しているし。

7人の元カレ軍団はどいつもこいつもバカばかりなんだけど、特に3人目の元カレのビーガンがていどひくくて素晴らしい。元カレ軍団以外のキャラクターではスコットのルームメイトのウォレス*6が、元カレ軍団とのぶっ飛んだ対決を普通の一般常識のように説明する見事な解説役っぷりが素晴らしい。

あとチャイニーズ女子高生彼女のナイヴスさんはいい感じでナーディーで3枚目リアクションもきっちりこなしていて、俺もニンジャニンジャレボリューション一緒にやりたいって思た。つーか、ネガスコットと付き合えば良いのにって思った。

*1:とは言えゲームオタクにしか分からないような超マニアックなネタは少なくて、大部分はゲームの基本教養というかクリシェ的なもの。特にファミコン世代の日本人男子には楽勝で理解できるものばかり。

*2:「見逃したところは後でDVDで確認してね」っていうのが前提で最初っから作っている

*3:ボーイがガールにミーツする物語であることから

*4:ファミコンやコミックだけじゃなくてシットコム的な演出とかもある

*5:童貞的マインドで見ると

*6:ゲイ。好きなタイプはメガネ男子っつーかハリーポッター。演じるのはマコーレカルキンの弟!