Friends with Benefits
ソーシャルネットワークで評価を上げたジャスティン・ティンバーレイクとブラックスワンで評価を上げたミラ・キュニスを主演に迎え、「Easy A」早く日本で公開して欲しいウィル・グラック監督のロマンティック・コメディ。ロマンティック・コメディというジャンルそのものについて劇中で登場人物が否定的に語るというメタ的な構造を持ちながら、最終的には極めてロマンティック・コメディ的な作品として成立するという割とテクニカルなことに監督はチャレンジしている。
ロマンティック・コメディは現在ではひとつの様式美となっており、定型フォーマットの中で無限のバリエーションを生み出していくスタイルは歌舞伎や落語のような伝統芸能のそれに近い。だからこそよりシンプルに脚本やキャスティング、演出といった要素のクオリティが現れるのがこのジャンルであると言える。本作のお洒落で魅力的な会話(ライン)の数々*1や、一捻りされたキャラクタの脇役たち*2、それに何と言っても主演の二人による軽妙なやり取りが素晴らしい。元々シットコム*3出身のミラはもちろん、元アイドルなジャスティンはシリアスなドラマでは違和感が出てしまうかもしれないけど、ロマコメの軽妙なやり取りには逆にピッタリで、歌って踊れるっていうスキルも含めて、これからのロマンティック・コメディ界を背負っていく人材なんじゃないかと思った。
あとニューヨークをニューヨークらしくカリフォルニアをカリフォルニアらしく魅力的に描いているのも素晴らしい。舞台となる場所が魅力的に描かれていることは良いロマコメの条件であるが持論なので。
音楽も悪くなくて、くろーじんぐたーいむ♫はドンピシャ世代なので普通にテンション上がった。クラブとかバーが閉店の時に流れたなーってね。日本でいうと蛍の光みたいな扱いだった。