Blood Diamond
久しぶりに映画の日が休日だったので、新宿の新しくできたシネコンへ。ゴールデンウィークの中日ということもあってすごい混雑していたけど、運良く最後の1席のチケットがあったので、最前列の右端という最悪のロケーションで鑑賞。でも映画自体は素晴らしいできだったので、満足。若干首は疲れたけれど。
100カラットのピンクダイヤを巡る冒険を通して、アフリカの暴力と戦争の現実とその裏に潜む欧米諸国の資源ビジネスの闇を暴く*1、社会派問題作をハリウッド冒険活劇のオブラートで包んだ作品。
とにかく主演のレオナルド・ディカプリオとジャイモン・フンスーが素晴らしい。家族に対する愛情がダイレクトに感じられるリアルな演技で、アフリカの漁師という日本人の僕の境遇からはかけ離れた役に感情移入させたフンスーさんはもちろん好演だけれど、今回はダイヤモンド密輸業者役のディカプリオさんの演技が素晴らしすぎる。ワイルドというよりは小汚い格好で調子良くベラベラと嘘を並べる姿は、一見するとジャック・ブラックさんみたいなのだけれど、要所要所で見せる顔は流石に格好良いし、何より台詞の端々に皮肉(ウィット)が散りばめられていて、しかもそれがビシバシ決まる*2のが凄く気持ち良い。
とにかく僕は昔から、皮肉屋のヒーロー*3に弱くて、いつまでも憧れの対象だったりするのだけれど、本作でのデュカプリオさんは決めるときは決める皮肉屋の人間臭いヒーローをパーフェクトに演じて見せてくれるのだ。
普通の会話であってもウィットが散りばめられていると、途端に印象的になる気がする。僕も日常の会話の中にウィットを散りばめて、この映画同様、人々の記憶に鮮烈な印象を残していきたい。でも狙いすぎて、長井秀和みたいにならないように注意しよう。ウィットと毒舌は似てるようで全然違うから。