Spider-Man 3

adf2007-05-06


僕の愛してやまない、大ヒットアメコミヒーロー映画の3作目。前作、前々作ともにヒーローの持つ孤独やヒーローの意味や意義に踏み込んだ、ヒーローものでありながらも内面にも訴えかける素晴らしい映画で、大のお気に入りシリーズなのだけれど、本作も内面に訴えかける部分はもちろん健在、というかむしろその部分はパワーアップしています。

今回、悩めるヒーロー、スパイダーマンことピーター・パーカーさんは珍しく全てが順調にいっていたりするのだけれど、逆に調子に乗りすぎてそのためにまた悩み続けるはめに、、、。ピーターさんはいつも通り可哀想なのだけれど、本作では若干自業自得な気がしてしまうのは、彼がいつになく調子に乗っているからに違いない。

何をやっても上手くいかず調子の悪いときに、他の人の悩みや置かれている状況に気づくのは難しいけれど、逆に全てが上手くいって調子に乗っているときは、それはそれで他人の悩みに気づかないものだったりするものだ、それが例え自分の愛する人だったとしても。さらに悪いことに、調子に乗っている姿は他人から見て凄く滑稽で間抜けに見えるから、余計にまずい状況を作りやすく、しかも誰も調子に乗った人間相手に同情なんかしてくれないのだ。だから調子に乗っている人は気がつくと孤独になってしまっていることが多々あったりするのかも。

周りからは調子に乗りやすいことで知られる僕にとって、こういったシチュエーションは他人事ではないけれど、幸い僕が今孤独じゃないのは、僕の周囲が素晴らしく優しい人々なのか、僕が鈍感すぎてそんなことに気付かないだけなのかは定かではない。もちろん、できれば前者であって欲しいけど。

それはさておき、本作においてスパイダーマンは完全にピーター・パーカーと同一視されており、内面についてもピーターの内面の話が続くので、人間ドラマとしては共感しやすいのだけれど、前2作とは違いヒーローとはみたいなテーマが若干弱くて、その点はちょっと残念。成功者の傲慢さや復讐心といった本作のメインテーマーはいずれも人間ピーター・パーカーの持つ悩みであっても、英雄スパイダーマンの持つそれではないのだから。

次回作がもしあるならば、是非ヒーローの内面にフォーカスして欲しい。別の新しいヒーローが現れて、ヒーロー同士でライバル心や嫉妬心を燃やす話とか見たいですよ、僕は*1

*1:サム・ライミ監督に魂の訴え、いや100パーセント読んでないだろうけど