Zodiac

adf2008-03-17


映画館では観そびれていたけれど、2007年の空中キャンプさんとこの映画を振り返るアレで4位と好評価だったのと、僕のオールタイムフェイバリット映画監督*1の一人であるデビッド・フィンチャーさんの最新作だったので、遅ればせながらDVDで鑑賞。素晴らしい映画だった。これ映画館で観てたら、2007年の1位に選んじゃってたかも。映画館で観ればよかったなー。

作品の題材が未解決事件なので、結末は当然のことながら未解決ですっきりしないし、事件の手口や容疑者達の人物描写も多少の演出はあるんだろうけど基本的には実在の事件が元ネタなのでそこまで過激だったりもしない。でも、映画では登場人物たちが事件の真相に文字通り取り憑かれていく様子をすごく生々しく描いていて、またそのための映画的演出は惜しげも亡く盛り込まれているから、いつしか登場人物たちにすごく共感してしまう。

『祭り』に参加することに対する情熱とか、『祭り』に乗り遅れてしまうことに対する何とも言えない感情とかを極めて男の子的な感情とか、誰にでも覚えがあるんじゃないかなって思う。だからこそショッキングな事件が怒る度に、ワイドショーや週刊誌、人々の間に広まるうわさ話にまでも、事件の原因や犯人について様々な説を展開し、果ては無理矢理なこじつけに限りなく近いものまでもが出現するのだろう。そしてそれは、例えば「ツインピークス」とか「スターウォーズ」とか、僕の世代だと「エヴァンゲリオン」の物語や語源、謎に対する熱狂的な関心もつまりは同種のもので、だからこそ寝食を忘れて没頭するようなマニアを生み出すくらい魅力的なのかも。

それにしても10代半ばくらいの僕が当時のサンフランシスコに住んでいたら確実にゾディアック事件にはまっちゃっていた気がする。マーダーケースブック*2とか買っちゃってたもん、中学の頃の僕は。