You, The Living

adf2008-05-07


人生初スウェーデン映画。基本的にはコメディなんだけれど特に明確なオチはないし、でも知的でインテリな笑いというわけでもなくて、ベタでもシュールでもない何だか妙な空気の作品。

本作の一番の見所は、シーンごとに視点が固定されていて、基本的に全くカメラが移動しない*1という特殊な演出というか撮影方法にある。カメラワークが使えない分、シーンごとに用意される画面の構図は計算され尽くされていて、その押さえ気味の色彩とも相まって、まるでモネの絵画を観ているような印象を与えている。そのおかげで映画全体に妙だけれどオシャレな空気が漂っている気がする。

クローバーフィールドが今年一番、カメラ(視点)が動き回る映画で、本作がそのまるっきり逆な感じ。それにしても僕は、こういうギミックというか変化球的な演出とかが好きすぎる。この辺りの嗜好は映画だけに留まらなくて、先日買った折りたたみ傘は絵の部分が懐中電灯になっているものだった。その機能の為に折りたたみ傘としては若干大きくなっているし、懐中電灯としても傘さしながらだと足元しか照らせないので、実用性はあまりないのだけれど、折りたたみ傘プラス懐中電灯というそのギミックにしびれるのだ。きっと役に立つシチュエーションが来るはず、たぶんいつの日か。

*1:シーンによってはズームしたり、一方向にのみ視点が移動したりといった限定的なカメラの移動は見受けられるけど、そこから受ける印象は変わらない