Lars and The Real Girl

adf2009-01-13


2009年の初映画館でみた作品。事前の情報やポスターから少し下品でたっぷり馬鹿なコメディー映画かと思っていたのだけれど、観てみたら登場人物の心情やコミュニケーションを中心に意外なほど物語に深みのある超良質なコメディ映画でした。

よく考えると主人公のラースはかなりシリアスな状態にあるのだけれど、映画の語り口(演出)は軽妙で明るくて悲壮感や重苦しさとは無縁で、映画はハッピーな雰囲気に包まれている。

映画は非常にゆっくりとしたペースで、主人公のラースの心の変化を描いていくのだけれど、クライマックス*1のボウリング場のシーンを境に、ラースの心は一気に大きく変化していく。それまでコミュニケーションごっこを繰り返すだけだったラースが、本物のコミュニケーションに触れて、ごっことは比べものにならないその楽しさやおもしろさにエキサイティングし、魅せられたことで、ごっこからの卒業に向かうそれは感動的ですらあった。

あと個人的にはアメリカの中西部*2っぽい冬景色が見れたのも良かった。空も地面も空気まで、全てがグレーなあの感じ。

*1:個人的にそう思う

*2:その昔、住んでいたことがあるのです。