Slumdog Millionaire
アカデミー作品賞獲得作品にして大傑作!昨年のノーカントリーといい、最近のオスカー作品は実に僕と相性が良くて、これは僕が年齢を重ねたことと少なからず関係がある気がする。
プロットはすごくクラシカルで、ありがちと言ってもいいぐらい*1。でも舞台をインドに設定し、ダニー・ボイルさんが監督することで素晴らしくハイクウォリティなエンターテイメント映画となっている。本作の魅力はこのケミストリーに集約されていて、例えば冒頭の(ファースト)シーンで描かれるリアル*2なインドのスラムの姿が持つビジュアルインパクトは圧倒的で、子役を含めたキャストの表情が持つ強烈な印象と併せて、作品にパワフルでエネルギッシュな空気をもたらしていて、映画を観る僕の鼓動を高め体温を上げる*3。
ダニー・ボイル監督の演出は相変わらずスタイリッシュで、監督の十八番の「走るシーン」*4もしっかり健在だけど、本作はそれに加えて編集の巧みさが超素晴らしい。クイズと連動して語られる各エピソードへのつなぎは秀逸だし、各エピソードが冗長になり過度にウェットにならないギリギリのタイミングで編集されている。もちろん全てのシーンがドライに語られている訳ではなく、要所のシーンはとびっきりエモーショナル*5!
ダニーさんの他の作品と同様に本作のサントラはとにかくかっこ良くて、エンディングのダンスシーンで一緒に踊りたくなったよ、真剣に。目指せインディアンディスコダンサー。