Drag Me to Hell

adf2009-10-25


スパイダーマンシリーズで有名なサム・ライミ監督の最新作。エクソシスト系の古典的なホラー映画のパッケージに、ゲロや鼻血、何だか分からない体液、死体,ヤギ、蠅、ゲロという下らない要素を過剰に詰め込んで、ラブコメライクな登場人物がその中で大暴れする笑える『ホラー映画』。

元々はホラー映画*1監督のライミさん渾身のハイクゥオリティーな演出で描かれる良い意味で下らないシーンはクラシックなホラー映画の緊張感を保ったままバカバカしくて、ヒッチコック演出のドリフコント*2という印象。役者陣では、アリソン・ローマンの演じる主人公が素晴らしい。一見地味なのに凄くキュートで前向きなラブコメの主人公のようなキャラ*3でありながら、元デブで田舎の農家出身というコンプレックスを抱え、自分の幸せの為に他者を犠牲にしようとするダークな一面を持つという複雑だけど筋の通ったキャラ造形は見事だし、そんな彼女が呪いに前向きに立ち向かいながらも酷い目*4に会い、ゲロや泥にまみれてしまう姿はすごくファニー。

古い恐怖小説の挿絵みたいなイラストを用いたオープニングもかなり良いデキで、70年代っぽいタイトル*5からも、グラインドハウスを見たライミ監督が「僕もああいうのやりたい!」って思ったんだろうなと予想できて楽しい。というか折角良いタイトルなんだから、そのままカタカナで邦題にすれば良いと思ったんだけど、長過ぎるっていう判断なのかしらん。

*1:より正確にはスプラッターの方だけど

*2:もしくは駄菓子で作った京懐石

*3:彼氏の実家に行く場面はラブコメそのもの

*4:嫌がらせみたいな小さいものだけど現実に起こるとかなり嫌そうな

*5:とそのフォント