The Chronicles of Narnia: The Voyage of the Dawn Treader
『ナルニア国物語』シリーズ第3章。製作・配給が前2作までのディズニーから本作はフォックスに変更となっているけど、前2作から完全に地続きの設定＆登場人物（役者も同じ）による完全な続編映画。でも本作でも主人公を務めるお馴染みのペベンシー弟妹*1の影は薄く、本シリーズのイケメン枠を一手に引き受けるカスピアン王も大して活躍しない。変わりに目立つのは本作から新しく加わったトラブルメーカーのユースチス*2と、ねずみの騎士リーピチープ。特にリーピチープは殆ど主役の活躍を見せて、途中から「スチュアート・リトル」を観ているのかと思った。
話の主軸が戦であった前2作と比べ、本作は航海と冒険の旅がメインで一番子供好みな作品だと思うけれど、いまいち盛り上がりに欠けるような気がするのは、多分魅力的な悪役が登場しないから。白い魔女が絶対的な悪役として君臨していた第一作目とは異なり、本作の悪役は悪い気みたいな抽象的なものなので実感が薄い。せっかくリーピチープが活躍するのだから、彼のライバルとしてコウモリとか蛇とかといった姿の小悪党キャラがいたらもっと盛り上がったんじゃないかと思う。原作が超有名作品なので、改変するのは難しそうではあるのだけれど。
