Sucker Punch

adf2011-04-25

「ゾンビ」のリメイク、フランク・ミラー原作コミックの映画化、アラン・ムーア原作コミックの映画化、次回作ではスーパーマンのリブート作の監督に決定と、ボンクラ的エリートコースを順調に進むザック・スナイダー監督初のオリジナル作品。監督、製作、脚本を務めたザック・スナイダーは、男子中学生が世界史の時間にノートに書いたラクガキの映画化!みたいな大変IQの低い*1作品の創造に成功している。セーラー服を着た金髪ロリ巨乳が銃と日本刀で武装して、巨大甲冑武者やナチスゾンビ軍団、ドラゴン、ロボットとスタイリッシュに殺し合うという、監督の撮りたいものが濃縮された映像*2はザック・スナイダーのポートフォリオのようであり、その映像のために構築されたであろうストーリーは複雑なことを試みている割には突っ込みどころ満載で、でもそこが逆にダサかっこいい映像のテイストと合っていて結果いい感じでまとまっていたりする*3

ただ、ベイビードール役のエミリー・ブラウニングがカヴァーするSweet Dreams (Are Made of This)悪夢風に乗って語られる冒頭5分間(タイトルロールが出るまで)は、ダークでスタイリッシュで普通にただ強烈にかっこよかったので、ザック・スナイダーは冒頭5分間*4専門の監督になれば伝説を残せるんじゃないかと思った。

*1:褒め言葉!アジア人の女の子はとりあえずメカの達人っていう短絡的な思考に痺れる。

*2:ヒンデンブルク号の爆発も入れたい!とかスナイダー監督の欲望は留まるところを知らない感じ。どうでも良いけど、この事故はアメリカ人の心に残りすぎ。歴史の時間に割りと時間かけて習うからなんだろうけど。あと皆大好きガス仕掛けのナチス兵も出ます。

*3:だから邦題の「エンジェル・ウォーズ」は映画を観た後では、作品とぴったり合っているような気がする

*4:ウォッチメン」もタイトルバックが一番素晴らしかった。