Sucker Punch
「ゾンビ」のリメイク、フランク・ミラー原作コミックの映画化、アラン・ムーア原作コミックの映画化、次回作ではスーパーマンのリブート作の監督に決定と、ボンクラ的エリートコースを順調に進むザック・スナイダー監督初のオリジナル作品。監督、製作、脚本を務めたザック・スナイダーは、男子中学生が世界史の時間にノートに書いたラクガキの映画化!みたいな大変IQの低い*1作品の創造に成功している。セーラー服を着た金髪ロリ巨乳が銃と日本刀で武装して、巨大甲冑武者やナチスゾンビ軍団、ドラゴン、ロボットとスタイリッシュに殺し合うという、監督の撮りたいものが濃縮された映像*2はザック・スナイダーのポートフォリオのようであり、その映像のために構築されたであろうストーリーは複雑なことを試みている割には突っ込みどころ満載で、でもそこが逆にダサかっこいい映像のテイストと合っていて結果いい感じでまとまっていたりする*3。
ただ、ベイビードール役のエミリー・ブラウニングがカヴァーするSweet Dreams (Are Made of This)悪夢風に乗って語られる冒頭5分間(タイトルロールが出るまで)は、ダークでスタイリッシュで普通にただ強烈にかっこよかったので、ザック・スナイダーは冒頭5分間*4専門の監督になれば伝説を残せるんじゃないかと思った。