Super 8

adf2011-07-15

テレビと映画でヒットを飛ばし続けるJ・J・エイブラムス監督の最新作!彼の敬愛するスティーヴン・スピルバーグをプロデューサーに迎えて創り出された本作は、過去のスピルバーグ作品*1へのトリビュートやオマージュを詰め込んだスーパースピルバーグ大戦JJみたいな映画だった。

本作を観終わった後の最初の感想は「JJ監督は映画界の浦沢直樹や!」というものだった。「謎」を中心といたストーリー展開や、ハッタリと引きの強さで観客のテンションを持続させる手法、その特性から明らかに連載(TVシリーズ)向きなところとかも含めて共通点は多い。その道の神様の作品へのリメイクやトリビュートを創りたがるのもシンクロニシティ。だから欠点も同じで、風呂敷を広げるのは天才的に上手だけれど畳むのが下手、っていうか畳むことをそもそも考えていないから着地点が強引だったりグダグダになったり。そのせいか、コアな層からイマイチ評価されづらかったりする。

ただ欠点を補って余りある才能を持っているのも確かで、風呂敷の広げ方は素晴らしいし、無数に存在するスピルバーグ映画的な要素からの取捨選択して見せ場を作り出すテクニックは天才的。それにスピルバーグがあんまり得意じゃないヒロインを魅力的に撮るスキルも備わっているみたいで、ツンデレ正統派ヒロインを演じるエル・ファニングダコタ・ファニングの妹!お姉ちゃんより大人っぽいルック)の殆ど天使な透明感は、本作のジュビナイル映画としてのクオリティを一つ上のステージに引き上げている感じ。

もちろん彼女だけじゃなくてボーイズ達も若干描き方がステレオティピカルでありながらも良いキャラなやつらばかりで、「キャラ立たせるの得意なの、俺。」っていうJJのドヤ顔を想像せずにはいられなかった。

あと初めて女の子にドキドキしたシチュエーションが、ゾンビメイクした女の子に人間を襲うシーンの演技指導中だった主人公は将来有望な変態だと思った。

*1:「ET」「未知との遭遇」から「ジュラシックパーク」「宇宙戦争」まで。あとバーグさんの監督ではなくプロデュースを担当した「グーニーズ」も