Paul
サイモン・ペッグとニック・フロストのギークな仲良しイギリス人が念願のコミコン&アメリカ各地のUFOスポットを回る二人旅中に遭遇したのは、外見グレイ型エイリアン中身セス・ローゲンな宇宙人ポールだった!な映画。
ギークのイギリス人にとって、最も(彼らが思い描く)アメリカ人らしいのが宇宙人であるポールで、本物のアメリカ人であるはずのレッドネックやキリスト教原理主義者達の方がよっぽどエイリアンだったりする。ここら辺のカルチャーギャップネタと、散りばめられた数多のSF映画(特にスピルバーグ作品)へのオマージュが本作の特徴ではあるのだけれど、個人的には男同士の友情を中心としたロードムービーである点だったりする。前半の同質/同属性の二人のホモソーシャル的なイチャイチャに、異星人や異性といった(文字通りの)異物がプラスされたことで起こる変化(とそれに起因するハプニングの数々)は単純に面白いし、その変化(乗り越えて)によって成長した登場人物達の『いつまでもこいつらを見ていたい』感は素晴らしい*1。
あと本作の魅力を語る上で『声』は外すことのできない。声だけの出演のためかいつも以上にセス・ローゲンそのままフルパワーのセス・ローゲンなセス・ローゲン(何回言うか)はもちろん素晴らしい*2し、あの(映画の)神様の声が本物だったり、MIBの女ボスの声の主があの人だったり、観客の俺たち以上に現場のギーク共のテンションは高かったに違いない。