Scott Pilgrim vs. the World

誰かが署名活動しないと日本で映画が公開されない男こと、エドガー・ライト監督最新作!ファミコン風ドット絵&ピコピコサウンドのユニバーサルのロゴから始まる本作は、ニンテンドーで育った俺達のゲーム脳にはピンとくる8ビットなディテール*1に溢れた映画…

The Kids Are All Right

レズビアンのカップルと(精子バンクの協力により生まれた)二人の子供の4人家族を通して、家族とは何かを描いた作品。ブルーバレンタインの感想にも書いたけれど、ブルーバレンタイン鑑賞後の文字通りブルーになった気持ちをこの映画は蘇らせてくれた。しかし…

Blue Valentine

ある夫婦の始まりと終わりを描いた映画。映画に限らず批評家の多くは、とかく『省略』の美しい作品に高い評価を与えがちであり、その点から言ってもデレク・シアンフランセ監督が10年の歳月をかけて書いた脚本は腐ったトマトでの好評価にも見合う素晴らしい…

Sucker Punch

「ゾンビ」のリメイク、フランク・ミラー原作コミックの映画化、アラン・ムーア原作コミックの映画化、次回作ではスーパーマンのリブート作の監督に決定と、ボンクラ的エリートコースを順調に進むザック・スナイダー監督初のオリジナル作品。監督、製作、脚…

Tangled

ディズニー・クラシックスの記念すべき50作目!俺たちのQT*1が2010年のベスト5に選んだらしい本作は、もちろんサミュエル・L・ジャクソン兄貴がFワードを連発したり、ユマ・サーマンが日本刀を振り回したりしないけれど、本作のヒロインのラプンツェルは終…

劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ

「SR サイタマノラッパー」の入江悠監督の最新作。今一番信頼できるロックンロールバンド、神聖かまってちゃんの名前を冠した本作は、プロ棋士を目指す女子高生、ショーパブダンサーのシングルマザー、神聖かまってちゃんのリアルマネージャーのツルギ氏、そ…

Hereafter

ここ数年映画製作のペースが上がっている恐るべき80代、クリント・イーストウッド監督の最新作。震災の影響により日本での上映は残念ながら期間途中で中止となってしまったが、震災前に鑑賞。確かに、冒頭の津波のシーンは観客にトラウマを与えるには十分す…

The Chronicles of Narnia: The Voyage of the Dawn Treader

『ナルニア国物語』シリーズ第3章。製作・配給が前2作までのディズニーから本作はフォックスに変更となっているけど、前2作から完全に地続きの設定&登場人物(役者も同じ)による完全な続編映画。でも本作でも主人公を務めるお馴染みのペベンシー弟妹*1の影…

The Town

ベン・アフレックが主演、監督、脚本にもクレジットされたクライム・サスペンス。脚本、演出、演技と全てがハイクオリティでありながら、ベン・アフレック自身のバックグラウンドへの個人的なエモーションにも溢れた素晴らしい映画。ファーストルックの地味…

冷たい熱帯魚

「愛のむきだし」でその情念を炸裂させた、園子温監督の最新作!埼玉愛犬家連続殺人事件という実在する連続殺人事件をベースに、犬を熱帯魚に変えてエログロバイオレンス&黒いユーモアで味付けして生み出された、強烈な映画。でんでんの怪演によって生み出…

The Social Network

フェイスブックの創始者にして、現CEO、世界で最も若いビリオナー、マーク・ザッカーバーグを主人公とする現在進行形(未完)の物語。デヴィッド・フィンチャー監督は、それまでの価値観を覆す『現象』を題材とした作品を多く世に送り出している。「セブン…

Due Date

「ハングオーバー」のトッド・フィリップス監督が作ったコメディ・ロードムービー。「ハングオーバー」とほとんど同じキャラクターを演じるザック・ガリフィアナキスと、今回はツッコミ役を務めるトニー・スタークことロバート・ダウニー・JrのW主演で全く…

MacBook Air 11インチ欲しい! ワイハに持って行って、ビーチでサンセットを見ながらブログを更新したい。

Tron: Legacy

今年最初の映画!川崎のIMAX3Dにて鑑賞。ちなみに前作は未見。トレイラー*1の映像と音楽*2が非常に素晴らしくて、期待大で待っていた作品。本作のデザインはとても魅力的で、コスチュームやメカだけでなくキャラクターや世界観まで含めた表層の圧倒的なクー…

2010年の映画をふりかえる

http://d.hatena.ne.jp/zoot32/201012191. 名前/性別/ブログURLもしくはTwitterアカウント adf/男性/@adf311/http://d.hatena.ne.jp/adf/2. 2010年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください インセプション/さんかく/キック・アス*13. …

Kick-Ass

eBayで買ったコスチュームを身に纏っただけのスーパーヒーローワナビーのナードの姿を通して、「スーパーヒーローとは何か」というテーマにまで言及する、スーパーヒーロー映画史に残るであろう大傑作。本作で最も魅力的なキャラクターは、主人公兼狂言回し…

Whatever Works

ウディ・アレン監督の記念すべき長編映画第40作目にして、久しぶりにホームタウンであるニューヨークを舞台にしたコメディ映画。休館してしまう恵比寿ガーデンシネマ最後の作品なので記念も兼ねて観てきた。年一本ペースで映画を撮る多分世界一多作な老監督…

Son of Rambow

俗文化から隔離された少年が悪ガキと出会い、彼の家で偶然観たランボーに興奮して、自主映画作りを始める話。「僕らのミライへ逆回転」の自主制作映画DIY愛や、スタンド・バイ・ミーのような少年達の友情&冒険と成長を描いたボーイ・ミーツ・ボーイな作品。…

Harry Potter and the Deathly Hallows PART1

言わずと知れた人気シリーズの最新作にして、二部構成に別れたシリーズ完結作の前編。本シリーズの魅力の一つは『ごっこ遊び』のそれであり、ハリー、ハーマイオニー、ロンと一緒に魔法学校の生徒として作品世界を楽しむ*1ことができる点にある。ヴォルデモ…

Machete

「グラインドハウス」のフェイク予告編を元に、ロバート・ロドリゲスが作った本編映画。でっかい鉈を持った不死身のダニー・トレホが大暴れするメキシカン(向け)映画というワンアイデアを殆ど膨らませずに、デ・ニーロにジョージWのモノマネさせたり、リン…

Brooklyn's Finest

比較的地味なフィルモグラフィーを持つアントワーン・フークアの本気が垣間見える意欲作。邦題が『クロッシング』でややこしいけど、極めて全うで真面目な造りの佳作だった。原題はブルックリンの警察官のことを現しており、善悪の間で揺れる三人の警察官の…

making of LOVE

ヒロインとフルサワ自身へ向けて被写体愛を爆発させる監督のアイドル監督映画(シネマハスラー的表現)だと思った。この二人以外の要素、二人が出ていない場面とかメキュメンタリーとしての整合性みたいな部分へのテンションの低さとかも含め、監督のキュー…

告白

今最も名前で客の呼べる日本人映画監督こと、中島哲也監督の最新作。湊かなえ作の同名ベストセラー小説が原作だけれど、原作は未読。でも本作はおそらくこの原作のベストな映画化であり、現在の日本でここまで監督の作家性を前面に押し出した映画がヒットす…

さんかく

僕が今最も好きな日本人映画監督こと、吉田恵輔監督の最新作。吉田監督の映画は「机のなかみ」、「純喫茶磯辺」、本作と、3作とも観たけど全ての作品に共通しているのが、登場人物がことごとくダメな人で、男は性欲で、女は情で、より(洒落にならないくらい…

Zombieland

ゾンビ映画をモチーフにしたコメディで、素晴らしいポップコーンムービー*1だった。本作の基本構造は、ゾンビによってほぼ滅びた世界で偶然出会った男女が、ゾンビフリーの遊園地を目指すロードムービー*2なんだけど、同時にボーイミーツガールものでもあっ…

Inception

クリストファー・ノーラン監督、脚本、製作のSF映画。メメントはDVDを購入するくらいには好きだし、ゼロ年代の個人的なベスト映画であるダークナイトについては言うまでもないくらい素晴らしかったのに、何故かあまり信頼していなかった*1というのが僕のノー…

借りぐらしのアリエッティ

ジブリ最新作。日本人の義務として鑑賞。とにかくディテールが魅力的で、作り手のこだわりが感じられる映画。アリエッティ一家の床下での暮らしぶり*1や、初めての借りのシークエンス*2の細かい設定や描写の数々はジブリのクリエイター達の職人芸って感じ。…

Toy Story 3

みんな大好きトイ・ストーリーの第三作目は、まさかのディストピアもの!時の流れとともに数を減らしながらも、可能性は低いけどいつか来るかもしれない幸運な未来*1を夢見て暮らすオモチャ達が、未曾有の変化*2により住処を追われる不安の中、不運なアクシ…

The Hangover

アメリカで大ヒットしたコメディ映画。とにかく脚本が上手くて、序盤のキャラクターを紹介するエピソードの数々や、事件が起こったあとのロードムービー的な展開、問題の解決までいたるプロセスや、物語のまとめ方まで、パーフェクトなコメディ映画の脚本で…

ヒーローショー

「こちトラ自腹じゃ」で有名な井筒監督の最新作。彼のフィルモグラフィーは特別僕の食指に触れるものではなかったけど、TwitterのTL上での評判がとても良かったので映画の日に鑑賞。事前の情報や監督のインタビューから『暴力』そのものをテーマにした「ファ…